H30年に保育所保育指針が改定されて、“保育所でも教育をする”という義務が位置づけられました。
保育園・幼稚園・認定こども園が共通の子育てをしていくためです。
それに伴い、国が特例制度を設けて保育士資格のみの保育士は幼稚園教諭の資格も取るように促しています。
(幼稚園教諭免許のみを持っている人も、保育士資格を取得するように促しています)
今後保育士資格だけでは、保育士を続けていくことはできないのでしょうか。
特例制度は、だれでも利用することができるのでしょうか。
今回は、保育士資格しか持っていなかった私が、幼稚園教諭の資格を取得した流れや方法をお伝えします。
目次
保育士資格だけでも保育士を続けられるの?
結論からいいますと、保育士資格だけでも保育士を続けていくことは可能です。
これから幼保一元化が進み、保育士と幼稚園教諭の資格が一体化する可能性はあります。
今国で話し合われているのが“こども士”というもので、近い将来2つの資格を合わせたこども士という資格に変わる可能性はあります。
その時になれば保育士資格のみの保育士は、例えば単位を取る等何らかの対策が必要になってくる可能性はあります。
しかし現時点で働けなくなるなんて事はないですし、むしろ保育士不足と言われている今、まだまだ引く手あまたな職種だと思います。
特例制度って誰でも利用できるの?
特例制度とは、こども園ができることを背景に、幼保一元化むけた国の取り組みで、保育士または幼稚園教諭どちらか一方の資格のみを持っている人に、もう一方の資格も取得しやすいようにした制度です。
期間は、H27年度からH31年度までの5年間で、その間に指定校で8単位取得すれば、もう一方の資格が取れるという制度です。
しかしこの制度は、資格を持っているからと言って誰でも利用できるわけではありません。
利用条件は?
保育士(または幼稚園教諭)としての実務経験が3年以上(4320時間以上)ある人が対象です。
という事は、保育士(幼稚園教諭)として丸3年以上働いている人のみ利用できる制度だということです。
ここに保育士と幼稚園教諭の資格について書いてある記事もあるので、参考までに
現役保育士目線で見た、保育士と幼稚園教諭の違いって何?
保育士資格のみだった筆者が幼稚園教諭免許を取得した話
ここで、私が幼稚園教諭の免許を取得した体験談をお話します。
それはまだ、私が保育士として働き始めて3年目の事でした。
当時は、認定こども園が新しく設立される事が決まった時期でした。
ある日主任に呼ばれ、一枚の紙を渡されました。
市役所の保育課から送られてきその紙には、名指しで幼稚園教諭の免許も取りなさいとの内容の文章が書かれていました。(私は公立保育園に勤務しています)
それは保育士資格か幼稚園教諭免許どちらかしか持っていない先生に送られてくる通達でした。
幼保一元化に向けた取り組みで、特例制度があるうちに資格を取りなさいとの事でした。
正直、「えっ、面倒くさい…」と思ったのですが、その制度は3年以上保育士として働いている人が対象だったので、その時まだ勤めて3年目の私は保留になりました。
保育士として働き出して4年目、産休育休に入ることになりしばらくゆっくりできる時間が取れました。
「ここで幼稚園の資格を取らないと後が大変だな」と、幼稚園教諭の資格を取る事を決意しました。
学校に通って講義を受けて免許を取得するのは日時がすでに決まっているので、子育て中の私には困難で、通信で取得する事にしました。
通信のメリットとしては、
- 空いた時間に勉強する事ができる
- 授業料が比較的に安い
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手順1通信大学に資料請求をする
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手順2届いた資料を記入し出願する
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手順3授業料を振り込み、テキストを購入する
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手順4パソコンとテキストで学習する
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手順5中間試験をうけるテキストの半ば半分位まで読み進めると中間試験が受けられます
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手順6単位取得試験をうける7~8割の正解で合格でした
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手順7合格すると次の科目へ
事があげられると思います。
私はテキスト代等含めて10万ほどで資格を取得できました。
資格取得の流れ
資格を取るためには8単位取らなければなりません。
1教科平均2単位で、4教科受講しました。
資格取得の流れは以下のようになります。
私は4ヶ月ほどで全ての単位を取得し、幼稚園教諭の免許取得ができました。
中間試験で単位取得試験のポイントを教えてくれるので、それを踏まえて勉強すれば、そんなに難しいものではありませんでした。
テキストもそんなに難しいものでなかったので、しっかり読んでおけば絶対に受かります。
幼稚園教諭免許を取得したメリット
特例制度を受けて幼稚園教諭の免許を取得できた、私が思うメリットをお伝えします。
久々に勉強するので、忘れていた保育の知識を改めてインプットできる
学生の頃一生懸命勉強していても、そこで学んだ知識って、時がたつと忘れてしまったりしますよね。
その学生の時の知識を改めて思い出し、保育士として勉強をするとまた違う捉え方ができることもあり、とてもいい勉強になります。
幼稚園の教育に対する捉え方が分かるので、それを意識した保育を計画する事ができる。
幼稚園教諭はこんな事をねらいにして保育をしているんだなと言うことが分かるので、自分の保育を見直したり、その考え方を念頭に入れながら保育計画を立てられるようになりました。
まとめ
いかがでしたか。
これから保育所で保育士として働くつもりでいる方は、ぜひ保育士と幼稚園教諭両方の資格をとっておきましょうね。
そしてどちらか一方のみの資格の方は、特例制度がある内にもう一方の資格を取っておいた方が良いと思います。
これからの保育には、今までに定義されてこなかった“教育”という分野が組み込まれてきます。
ぜひ2つの資格を持ち、保育のプロフェッショナルとして子供達のために一緒にがんばりましょう!
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